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2020年7月28日 (火)

数字のマジック

 二七日夜の東京都の更新で、判明日による陽性者数が増加した。前回述べた二一日分は241が276に増加したのにとどまったが、二二日分(二五日の更新で初登場)が140から329に増加し、感染者数最多である二三日の366がある程度説明可能となった。一方、都知事は、131人の感染が確認されたが、それは検査数が連休で846と少ないためだと、いつものようにほざいた。何も理解していないことがわかる。これなら感染率15.5%となるが、それを質問する記者もいない(二つの数字には日のズレがある)また、現在のように感染者が増加している中で、なお検査が行われていないという問題もある。ここ一ヶ月の日曜日(六月二八日以降)の検査数は419→764→730→832→945と相対的には増加しているが、最多である二二日の5363(こちらは更新で数字が増加する)と比べれば少ない。陽性率で使用される検査人数(内数は陽性者数で、こちらの数字は対応しており陽性率が出されている)では、569(32)→900(92)→961(53)→1095(77)→1216(85)と増加しているが、本来ありうべき数字とは一桁違う。
 昨日は韓国の竜星戦三番勝負第二局、日本の女流立葵坏挑戦手合第二局、名人戦リーグ井山-張戦が注目されたが、すべて半目勝負であった。日本と韓国は白にコミ6.5を与えるので、黒番は盤面で7目以上の差を付けないと勝利できない。これに対して中国はコミ7.5なので、ルールで勝敗が逆転する。日本では一時期、当時の二大タイトル名人戦と本因坊戦でコミが違っていたことがあり、ともに林海峰-石田芳夫で争った挑戦手合いの勝敗が異なることになった。問題はAIで、AlphaGoの引退以降、世界の囲碁AIは中国が主導していることもあり、多くの囲碁AIはコミ7目半の設定となっている。そのため、AIは白半目勝(終局直前には100%に近づいているはず)としながら、日本と韓国では黒半目勝となる。youtubeの囲碁中継で日本棋院が利用しているKATANAというソフトはコミ6.5に対応していることが利点だというが、その形勢判断は接戦の場合は課題がありそうだ。
 立葵坏はAIが黒優勢の判定をしていたが、解説者はAIは攻め取りの判断が十分ではないのではないかとしつつ、白が優勢であるとしていた。その後、白にミスが出て損をしたが、結果は259手で白半目勝で、解説者の説が正しく、AIの課題が明確となった。名人戦は挑戦者決定に影響する一局なので急遽中継されたが、立葵坏以上に微妙で形勢が揺れ動いた。新聞解説の担当者高尾九段は一段落した段階で白優勢となったが、その後ミスが出て形勢不明となり、AIでは優勢であった黒に最後にミスが出て、261手で白半目勝ちとなった。韓国では朴廷桓九段-申眞諝九段という現在のランク2位と1位(世界ランクでは3位と1位)の対局で、361手で白番申氏の半目勝ちであった。361は囲碁版の目数(19×19)と同じという長い一局であった。上には上があり、2006年の名人戦挑戦手合第4局は364手で挑戦者(高尾九段)の黒番半目勝だったという。コミが5.5から6.5に変更されたのは2002年11月6日であり今と同じである。改訂前(コミ5.5)五年間の日本の公式対局で、黒の勝率が51.855%であったことから、6.5目に修正され、修正後四年間では黒の勝率が50.59%とわずかに低下した。最近のデータでは2018年の日本の公式戦で白の勝率が50.9%と変化している。半目勝は全4210局中黒105、白98と差が無いが、その出現率は5%弱である。AIの影響で定石が変わってきたことが白有利に変化した背景であろうか。2016年3月にAlphaGoが韓国のトッププロに4勝1敗、2017年5月には新バージョンが当時の世界ランキング1位の中国プロに三連勝している。
 韓国の申九段は現在20才で、昨年2月に長らく1位であった朴九段に替わって韓国1位となった。18才10ヶ月であった。今年の世界戦を含む公式戦の成績は38勝4敗。中国の柯潔九段は17才で国内タイトル挑戦者となり、18才1ヶ月で中国ランキング1位、18才5ヶ月で世界戦で優勝したが、19才10ヶ月でAlphaGoに敗北し、20才5ヶ月でAlphaGo引退後最強のAIとなった中国の絶芸(Fine Art)には置碁(黒番でコミをもらう)で敗れた。藤井棋聖と将棋AIとの対戦を望む声があるが、将棋AIは囲碁よりはるかに早い時期に人間を追い越しており、人間がわずかに死活判定で勝っているのみとされており、詰将棋なら勝利する可能性はあるが、実戦では柯潔九段がAlphaGoに敗北して涙を流したのと同じ結果となろう。柯潔九段はその二日後に世界戦で韓国棋士と対戦して勝利した際に「人類との対局はこんなにも気楽」とつぶやいたとされる。ただし、将棋AIは囲碁AIのように巨大企業が開発に関与していないという違いがある。AlphaGoは最終的には、囲碁だけでなく、将棋、チェスにも対応したAlphaZeroとなっていた。Zeroは2017年12月にチェス、将棋の最強ソフト、そして囲碁専用のAlphaGoZeroを凌駕したことが発表された。チェスでAIが人間を上回ったのは1997年、将棋の場合は将棋連盟がAIとの対局に消極的であったため不明だが、2013年から14年には人間を上回ったと思われる。将棋と囲碁の場合の数の違いから、囲碁はなお10年以上かかるとされたが、ディープラーニングの手法と圧倒的なコンピュータのパワーが、不可能を可能とした。

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