koewokiku(HPへ)

« 八月末の近況から | トップページ | 伴姓富永氏について »

2018年8月29日 (水)

囲碁界の近況

 最近の囲碁界の話題としては、台湾出身の許家元七段が棋聖位を井山九段から奪取したことがある。元々期待の若手ではあったが、一力遼八段の影に隠れていた。それが、AIを利用した検討で急速に力量がアップしたとのこと。今年の前半の成績は国内では無敗という状況で、挑戦手合いも三戦全勝であった。中国乙級リーグ(甲級に次ぐ二番目のリーグ)では二〇一七年の一六チーム中一一位残留に続き二〇一八年も参加した。結果は六位と上昇したが、甲級昇級の三位以内には入れなかった。許七段(当時)は八戦中五勝三敗と勝ち越してはいるが、その他を含めて国際棋戦ではまだ十分な結果とはなっていない。天元戦では決勝に進出し、山下九段と挑戦者決定戦を行うようだが(山下が勝利)、七月の棋聖戦Sリーグでは山下九段に敗れ、二勝一敗となった。名人戦は全勝で挑戦者となった張九段も棋聖戦リーグでは4戦全敗で陥落必死であり、復調気味ではあるが、全盛期とは違うようである。一方、井山名人は不調が続いていたが、最近復調中とも言われる。高尾紳路九段は名人失冠後のリーグ戦で陥落したが、これは史上初のこと。本人はブログで自戦のポイントを解説しているが、ほとんど紙一重(両方ともにミスが出る)で勝敗が決まっている。高尾九段は棋聖戦リーグは2勝2敗である。
 許七段は碁聖獲得で八段に昇段したが、その後の国内棋戦では黒星もついている。本因坊最終予選の1組準決勝では波根九段に破れ、これを観戦していた日本棋院中部本院の若手棋士が感動したとのコメントを寄せていた。王座戦トーナメントでは準決勝で本木八段に半目負となり、挑戦者決定戦は村川八段を破った一力八段との争いとなった。昨年一八才の六浦三段が高尾名人を破って優勝した阿含桐山坏は今年のベスト4が二四才、二三才、二一才、一八才の四人の棋士となったが、一力・芝野の若い二人の決勝戦となった。
昨年の井山氏への挑戦手合で全敗した一力八段も今年前半は不調が続いていたが、やや復調傾向にあるようだ。
 一方、新人王戦では一七才になったばかりの広瀬優一二段が決勝進出。同年齢一六才の関航太郎二段を四回戦で破った二三才の大西研也三段との決勝。これまた同級で一六才の上野女流棋聖は参加していない。NHK坏では女流で唯一初戦突破し、二回戦はシードの許八段と。関二段はジュニアの国際棋戦では唯一の優勝経験者。一力八段(優勝は現在の河九段)と、関西棋院の故長谷川広六段が準優勝経験者。長谷川六段は島根県江津市出身で、それこそ、本因坊道策、岸本左一郎に次ぐ石見出身棋士として将来を嘱望されたが、二一才で火災のため死亡。直前には最年少で六段に昇段したばかりだった。原因は不明だが、思い悩む様子がみられたとされる。広瀬、関、上野氏はともに藤沢秀行の子藤沢一就八段の門下である。昨年、早碁の竜星戦で芝野三段が優勝し、中国竜星で中国ランキング1位の河九段に勝利して話題となったが、今年は芝野八段は一六名によるトーナメントには進出していない。Aブロックのリーグ戦で鈴木七段と鶴田四段が芝野八段を抑えて進出している。1回戦が進行中であるが、藤沢女流名人が同じ藤沢秀行門下の兄弟子高尾九段に勝利している。今年は国際棋戦でも中国の若手有力男子棋士に勝利していた。
 以上のように囲碁界は若手の台頭が著しい。将棋の藤井七段にとっての最大の課題は、ライバルとなる若手棋士がどれだけ台頭するかであろう。囲碁の井山六冠の場合も、同世代でトップ級となったのは、関西棋院の村川八段ぐらいで、同世代のライバルに欠けていた。

« 八月末の近況から | トップページ | 伴姓富永氏について »

囲碁史」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 囲碁界の近況:

« 八月末の近況から | トップページ | 伴姓富永氏について »

2021年6月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ