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2018年5月 6日 (日)

廊御方についての補足

 「本朝皇胤紹運録」にも諸本があり、国会図書館所蔵本(文亀壬戌に三条西実高が禁裏本を写したものを基本とする。デジタル版を公開)と京都大学附属図書館蔵平松文庫本(筆写に関する記載なし、デジタル版を公開)には性恵法親王の母を「三条公親女子」と記すが、天文八年の写を基本とする大和文華館所蔵本(国文学研究資料館がデジタル版を公開)や早稲田大学図書館所蔵本(デジタル版を公開)には性恵法親王について妙法院導教僧正弟子と記すが母に関する記載そのものがない。写本の比較検討については小倉慈司氏『本朝皇胤紹運録』写本の基礎的研究(『国立歴史民俗博物館研究報告』第一六三集、二〇一一年)がある。
 三条氏の出身で亀山上皇との間に子をなした女性として、一二六八年に良助(りょうじょ)法親王(青蓮院座主),一二七一年に年聖雲(しょううん)法親王,一二七二年に覚雲法親王を生んだ「三条局」がいる。その父親は三条公親の叔父左中将実平である。ただし、三人の男子の生年からすると、永仁三年(一二九五)の流産の記事の廊御方とは別人である可能性が高い。
 総合的に考えて、三条実親女子が杵築社領家廊御方と考えてよかろう。
(参考)
良助法親王 母三条局正三位左中将実平女  青蓮院 無品 座主(大和文華館所蔵本、天文八年の写ヵ)、母三条房 実平卿女 山 無品 青蓮院常寿院 座主(国会図書館所蔵本、文亀壬戌年の写ヵ)
性恵法親王 妙法院導教僧正弟子、無品 上野綾小路(大和文華館所蔵本)、母内大臣公親公子 山 無品 妙法院(国会図書館所蔵本)

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