koewokiku(HPへ)

« あちら立てればこちら立たず | トップページ | 船村徹氏遠行す2 »

2017年6月10日 (土)

船村徹氏遠行す

 作曲家船村徹氏が2月に84才で亡くなった。昨年に手術を経験し、その後の文化勲章受章だったが、受賞後4ヶ月で「遠行」した事になる。「遠行」とは仏教用語で、石見銀山の開発を述べた銀山旧記でも使われている。これをみた近世史家(鉱山が専門)は銀山の技術を大工が但馬国生野銀山に伝えたとの珍解釈をしてしまった。小学生の頃、船村氏と囲碁棋士藤沢秀行氏に関心を持ったが、両者に共通するのは「独創性の追究」であろうか。
 4月には五木ひろし「男の友情」「わすれ宿」が発売になった。船村作品を今後も唄って後世に伝えるとの意図という。前者は有名なので、後者に関して勝手な妄想を述べたい。
 「かくれ宿」について船村氏は作詞家中山大三郎氏の置き土産と述べていた。この作品は細川たかしのアルバムで初めて聞いたが、中山氏は2005年に64才で死亡している。もっとも有名な曲は「人生いろいろ」であろうか。
 どのような経歴かと思って調べてみると、作詞家星野哲郎氏の弟子となり、その後、作詞・作曲家となったとある。「人生いろいろ」は浜口庫之助作曲とあるが、「珍島物語」は作詞・作曲の両方を行っている。浜口庫之助と中山の師星野哲郎と言えば「黄色いサクランボ」がある。子どもの頃ドリフターズの全員集合で聞いた覚えがあるが、昭和30年代前半の、星野の初期の作品である。今聞いてもまったく古さを感じさせない。「かくれ宿」は中山の代表作とまではなっていないが、五木ひろしも1979年のアルバムに入れたことがあり、瀬川瑛子がシングルを発売し、船村の弟子鳥羽一郎もシングルのB面に入れたことがあった。中山・船村コンビの作品としては船村と同郷である栃木県出身の森昌子「寒椿」がある。
 前置きが長くなったが、ここでは「わすれ宿」の詞に注目したい。歌謡曲では男女の愛が最も取り上げられるテーマであるが、「許されない恋」も多い。この曲では女性に語らせている。このジャンルの船村メロディの代表作といえば「女の宿」(星野哲郎詞、大下八郎唄)であるが、こちらは男女いずれの立場ではなく、第三者の眼から両方を描いている。船村・星野・大下と言えば「なみだの宿」もある。作詞は女性となっており、一説には星野の妻あけみの作品ともされたが、実際は星野自身の作だという。こちらは女性の立場から述べている。知名度は劣るが、船村氏やカバーしたちあきなおみのファンからすると、「なみだの宿」は「おんなの宿」以上の評価を受けている。自分も船村メロディのベスト10(具体的に考えたこともないし、とても決められないのだが)に必ず入れる作品である。

« あちら立てればこちら立たず | トップページ | 船村徹氏遠行す2 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 船村徹氏遠行す:

« あちら立てればこちら立たず | トップページ | 船村徹氏遠行す2 »

2021年6月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
無料ブログはココログ