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2017年5月18日 (木)

図書館の役割?2

 『南北朝遺文』九州編をみる必要があるが、手元には第1巻しかない。島根県内では益田市立図書館のみ所蔵している(その他)。鳥取県立図書館は全巻所蔵している。どちらが近いかといえば、鳥取市である。松江市は浜田市と鳥取市の真ん中に位置している。その他の中世史関係の本を検索してみると、鳥取県立図書館は最近のものに至るまで数多くの論文集を購入・所蔵しているが、島根県立図書館は近年の状況をみると、論文集は購入対象から外れ、選書や新書の歴史関係のものに限定して購入している。所蔵する本の著者では網野善彦氏がともに一位であるが、鳥取が島根の1.5倍の冊数で、これに次ぐ石井進氏の著書でも同じ傾向である。鳥取は岡山と間違えるほどの質・量の蔵書であるが、島根は、すべては予算なのだろうが、かなり見劣りする。何を購入するかについて、併設する文書館の中世史担当が関与するのかは不明であるが、驚くほどのものであった。論文集に収録されている論文名もきちんと記されている。かなり前の話だが、鳥取では盗難防止のシステムを導入したが、島根は予算がないとして断念したということであった。
 松江市立図書館については、歴史の専門の本とは別のことを感じた。一つは、「城山三郎」氏の本を探したが、開架にはみあたらなかった。検索をすると、かなりの本が所蔵されているが、すべて館内の書庫である。新しい本が入る中で、前の本は書庫に移動しているのであろう。書庫にしても無限ではなく、最近では会田雄次氏の蔵書の寄贈を受けていた公立図書館が、遺族に無断でこれを廃棄処分にしていたということがニュースになった。利用する人が少ないというのが理由であったが、後進の研究者からは会田氏の思想や著作の形成過程を知る資料が失われたとの感想が述べられたいた。
 市立図書館でもう一つ驚いたのは月刊雑誌のコーナーに「世界」が無かったことである。数ある月刊雑誌では最も質の高い情報を提供してくれるものであるのに、これも利用者が少ないということであろうか。自分では20年以上定期購読していたが、最近ではなかなか読む時間が無かったので、3月末で購読を中止した。従来より読書の時間はあるので、過去のものの連載記事を選んで読み、新たなものは図書館でと思ったが、あてがはずれた。県立にはあると思うが、どうであろうか。限られた予算の中、県立と市立で連携して購入する本を分担するのもありと思うが、担当者の中には多くの貸し出しが期待できるものを購入したいとの思いもあるかもしれない。ただ、図書館の最大の役割は読書ではなく、レファレンスにあると思うので、本だけでなく自分の専門分野を持つ司書と幅広い守備範囲を持つ司書がいないといけないと思うがどうであろうか。図書館は学校教育と同様、すぐに効果がでるものでもなければ、明確な短期的物差しがあるわけでもない。鳥取県では片山・平井両知事が主導して教育の分野にお金をかけており、島根県も目先だけで、将来に備えた投資を惜しむと人材がますます枯渇していく。現在でも悲惨な状況にあり、これを改善するのは急務である。

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