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2010年10月18日 (月)

近世後期の変化2-4

 以上、「近世後期の変化」と題して述べてきたが、ここで考える必要があるのは、変化する前の平人と「被差別民」の関係を、平人からの差別=排除と捉えることが適切なのかという点である。「被差別民」の語が適切かどうかというのも、その点に関わっている。
 次に、従来差別を強化するための政策、ないしは変化と評価されてきたものについても見直しが必要ではないかという点である。結果としては確かに差別の強化につながっていったが、本来は、社会全体の変化、ルーズで外部に対して受容的な社会から、管理的で内向きな社会へと変化の中で打ち出されたものである。そしてこれは別に松江藩のみの問題ではなく、全国的にみられた傾向である。
 差別の問題は決して過去の問題ではなく、現在進行形の問題である。その変化・変更が直接的には特定の人々への差別=排除を意図したものでない場合も、このように結果として差別につながりうるとの意味で、現在の社会のあり方を問うていかなければならないのではないか。
 南アフリカのアパルトヘイトについて、もうそれが解決したならば、それについて学ぶ必要はないとの意見を聞いたことがある。「被差別民」の問題は解決しているので、もう学ぶ必要がないことを主張する団体の意見で例示として述べられていたが、これは差別の問題を表面的にのみとらえたその場かぎりの意見であろう。
  いずれにせよ、問われるべきはどのような社会を作っていくかである。そして、社会の中で弱い立場におかれた人々の主張に耳を傾けながら日々考えていくことであろう。その際に、先入観を排し、知ったかぶりのないようにしていかなければならない。

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