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2008年10月20日 (月)

岸本左一郎(4)

 岸本は嘉永元年に大坂で「活碁新評」を出版した。篠崎小竹の序文は「坐隠談叢」に引用され有名であるが、ここでは岸本による「あとがき」を引用したい。序文の「敢えて其の志を堕さず」の意味が明確になる。

わか父世にありし時囲碁をこのまれけり。おのれも幼き頃より此道に心さし深くおこたらす学ひけるを悦ひてか、ふかくちからをそへられしも、今ハなき人の数に入て三年あまりになんなりぬる。されは追慕の碁会をいとなまんとするに、ちかきわたりの人々ハなへてつとひもすへけれと、遠き國のともからはこころにまかせねもあるへけれハ、とやせましかくやせましと思ひわつらふ折ふし、父のかねて幼学の心得やすきおもふきの手談をつくりて世に傳へよかしといはれしをおもひ出て、かわかぬ袖をしほりつ々霊前に手向かてら、碁経めくもの書こころミつるを桜木にえらしめて、同し心の人たちにおくりなは、おのつから父の志にもかなひ追福のためともなりぬへしと、友とちのす々めによりて、かく物したるになん仕るを、何事も行たらハぬ若き身のさし過たるかこのわさと思ふ人もあるへけれと、た々父のめくミの忘れかたき心よりのすさひと見、ゆるし給ひてよ
   嘉永元年九月 岸本左一郎直樹
                しるす

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