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2008年10月25日 (土)

異人はいなかった?-天明3年一揆(1)

 浅間山噴火を原因とする天明の大飢饉により、各地で一揆・打ちこわしが発生した。島根県でも、大田と大津、三刀屋の事例がよく知られている。特に大津と三刀屋の事件は①「雲国民乱治政記」では、長身の異人が登場して人々を先導(扇動)したことが記されている。
 これに対して②「百姓騒動一件」が残されている。東大史料編纂所が明治26年に③「天明凶作一途」や④「年々飢人勞留帳」(明和5・6、天明3)などとともに採訪しているが、明治末から大正初年にかけての島根県史編纂時には②のみ調査されていない。戦後の『大津町史』でもこの事件について関係資料を網羅して詳細に記述されているが、②の存在は知られていなかったようだ。③で「此一件委敷事は別巻にしるし置候也」と記されているのが②であろう。
 ②でも①と同様三刀屋の事件について詳細に記述しているが、当然のことながら異人は登場しない。また、①では記述されなかった、打ちこわしの一団が藩に窮状を訴えようと森広幾太に働きかけた後の状況についても、関係者の処罰を含め記している。①と②を比較することにより、①の作成の意図もより明確になろう。

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